MT4の魅力は自動売買トレードです。自分で作成したEAや購入したEAをMT4/MT5で稼働できます。自動売買トレードをするのであれば、MetaTraderが最も使いやすいと思います。
裁量トレードにVPSは必要ありませんが、自動売買トレードには不可欠なツールです。EA(自動売買プログラム/エキスパートアドバイザー)を稼働させるためには常時MT4/MT5を起動する必要があります。PCの電源をOFFにすると、EAは機能しません。これから自動売買トレードを始めてみたいという方もいると思いますが、気になるのはランニングコスト(VPSの月額レンタル料金)だと思います。
通常、VPSサービスは有料なので、VPSを稼働し続けるためにはどうしてもランニングコストが発生してしまいます。さらに、海外FX業者の場合、VPSのサーバー設置場所を考慮する必要があります。
例えば、XMはイギリスのロンドンにサーバーを設置しています。VPSを最大限活用するためには、「VPSサーバーがFX業者サーバーの近くにある」ことが大切です。VPSサーバーがFX業者サーバーの近くにあれば、地理的な距離がなくなり、約定スピードや約定力向上が期待できます。
XMが定める一定の条件を満たせば、Beeks社が提供するVPSサービスを無料で契約できます。
XMが無料で提供するVPSサービスは本当に使えるのか、気になったので検証しレビューしてみたいと思います。
この記事では、XMの無料VPSサーバーの申し込み方法、VPSの無料利用条件、XMに最適な有料プランのサービス比較について解説していきます。
- XMの無料VPS利用条件は?
- XMの無料VPSの申し込み方法は?
- 無料VPSのスペックは?
VPSは海外FXの自動売買トレードで必要不可欠
VPSって、何?
自動売買トレードにはVPSが不可欠です。
MT4/MT5の最大の魅力は自作したEAを運用できることですが、MetaTraderを稼働し続けるためにはMT4/MT5を起動させ続ける必要があります。自宅のPCの電源を平日24時間ずっとONの状態にするのは、現実的ではありませんね。
自宅でPCを24時間電源ONにした状態だと、安全面で様々なリスクがあります。
- 電気代コストや火災のリスクがある
- 天災やPCトラブルの可能性
- PCの消耗
EAを稼働している最中にトラブルが発生して、MT4/MT5にログインできなくなってしまうと、大変なことになってしまいますね。
VPSであれば、上記のような心配をすることなく、安心してEAを運用できます。EAが相場を常時監視して、取引シグナルが出たらチャンスを逃さずにエントリー/決済することが可能になります。
VPSをXMの自動売買トレードで使う理由
- EAを安心・安全な環境で稼働できる
- 約定力が向上する
- 通信速度が速くなる
かなめ
EAを安心・安全な環境で稼働できる
災害が発生して、自宅のPC環境にトラブルが生じても、EAの管理ができます。VPSサーバーは、トラブルが発生しないように24時間365日体制で厳重に管理されています。
手元にスマホやタブレットがあればVPSに接続もできるアプリもあるので、PC環境がなくてもEAの運用を停止することもできます。
Meta Traderを常時起動させつづけるため
EAのメリットは、相場を常時監視して、エントリーポイントや決済タイミングを逃さないようにできることです。
EAを常時稼働させるためには、MT4/MT5を起動させ続けなければいけません。自宅PCを平日24時間電源ONというわけにはいきません。PCに過剰な負荷をかけてしまう可能性があり、PCの消耗を速めてしまいます。
VPSサーバーであれば、余計な心配しなくて済みますね。
約定力の向上が期待できる
例えば、スキャルピング系EAであれば、約定力が最も大切です。
日本からロンドンのXMのサーバーまでの距離は約9500㎞あります。Meta TraderのVPSサービスの計測結果ですが、XMの取引サーバーと同じロンドン市内にあるMetaQuotes社のVPSサーバーからはわずか4.48ms(ミリセカンド)でした。一方、日本からロンドン市内にあるXMサーバーまでのPing値は230.67msという結果です。
単純に比較しても、約1/50の時間でトレーダーの注文がXMサーバーに届きます。当然ですが、約定力が向上することは明らかです。
VPSサーバーの設置場所と海外FX業者の取引サーバーの設置場所の関係については、次の章でも詳しく解説をしています。
このPing値が小さければ小さいほど、トレーダーからの注文が取引サーバーに素早く届くということを意味しており、スリッページすることなく約定できるということを示しています。
VPSサーバーの場所がポイント
VPSサーバーの場所と海外FX業者のサーバーの場所を考えるのがポイントです。
国内FX業者の取引サーバーは日本国内に設置されていますが、海外FX業者の取引サーバーは海外に設置されている場合がほとんどです。例えば、XMはロンドン、Titan FXはニューヨークに取引サーバーがあります。
日本国内から取引サーバーまでの地理的な距離があると、トレーダーの注文を受け取るまでに誤差が発生してしまうため、約定力に影響を及ぼしてしまいます。
上記の図のとおり、XM取引サーバーはロンドンに設置されています。VPSの本領を発揮するためにも、VPSサーバーが同じロンドン市内に設置されているVPS業者がXMに最適です。
かなめ
XMの無料VPSは活用できるか
Beeks社のVPS【無料条件】
XMが提供するVPSサービスは、Beeks社が提供しています。
通常なら有料での契約ですが、以下のXMの条件を満たすと、無料でVPS接続ができます。
無料VPS利用条件
- 月に5ロット(50万通貨)以上の取引
- 口座入金額の合計が5,000ドル(約60万円)以上
毎月1日にVPS契約について判断が行われ、どちらか一方でも条件を満たせなくなると、有料 or VPS契約解除となってしまいます。突然、VPS契約が解除されてしまわないように、余裕を持った口座残高をキープしてください。目安は60万円以上です。
XMの無料VPSの性能を検証する
XMのVPS性能をまとめてみます。
XMのVPS性能まとめ | |||
---|---|---|---|
OS | Windows2012 R2 | ||
CPU | 1コア | ||
メモリ | 1.3GB | ||
HDD | 25GB |
VPSの性能はどれだけMT4を起動できるか、EAを同時運用できるかで決まります。無料VPSのスペックだと、Beeks社は「9チャート、MT4を3つまで」という目安を公表していますが、スキャルピングEAを使用したい方はMT4を1つ起動させて、EAを1つ稼働させるというスペックかなと思います。
「VPSってどんな感じ?試しにやってみたい!」と思っているトレーダーにとってはぜひXMの無料VPSで試してほしいと思います。
本格的に自動売買トレードをするときには、スペックに余裕を持った方が良いと思います。EAが注文・約定をするとき、VPSのCPU使用量やメモリ消費量が瞬間的に跳ね上がります。おおよそですが、メモリは1GB=EA1つ、2GB=EA3つ、4GB=EA5つが稼働範囲と言われています。
複数のEAを運用したい、複数の海外FX業者のMT4を起動させたいなど本気で自動売買トレードをするのなら、有料のVPSを月額レンタルするというステップに移行します。
Beeksなら日本語サポートがある
Beeks社には、日本語サポートがあるので安心です。
XMの公式ホームページには、Beeks社から英語でサポートを受けられると記載されているのですが、日本語サポートがあります!
日本語サポートの詳細をまとめてみました。
Beeks社の日本語サポート | ||
---|---|---|
URL | https://www.support.beeksfinancialcloud.jp/ | |
ライブチャットサービス | 9:00~22:00 | |
メールサポート(24時間) | 平日 AM10:00~PM10:00は日本人スタッフが対応。support-ty3@beeksfx.com 営業時間外はグローバルスタッフが対応。 | |
緊急サポート (即時申請サポート) | 緊急サポート(即時申請サポート) VPSにログインができないなどの緊急時に受けられるサポートです。 「再起動」「パスワードリセット」ができます。 |
XMの特典であっても、ユーザー名とパスワードなどが分かれば、トラブルが発生しても日本語サポートを受けられるので、ご安心ください。
XMの無料VPSを使ってみる【申し込み~接続】
では、実際にXMの無料VPSサービスの申し込み方法を解説していきます。
かなめ
手順1 XMの公式ページからVPSを申し込む
XMの公式ホームページからVPSの申し込みをします。メニュー>口座>VPSとクリックしてください。
申請ページが表示されたら、「VPSをリクエストする」をクリックします。無料条件を満たしているか、有料になるかは、このページで確認します。
「XM MT4 VPS – リクエストを受領いたしました」という画面になれば、リクエストが完了します。
Beeks社側の手続きが完了したら、「Welcome to Beeks Financial Cloud」という件名のメールがXMの登録メールアドレス宛に送信されます。VPSに接続するには「Username(ユーザー名)」「Initial Password(初期パスワード)」が必要ですので、紛失しないようにメールのPDF保存などをしておきましょう。
手順2 RDP Fileのダウンロード
Beeks社からのメールに「RDP File」が添付されています。VPS接続に必要な情報が含まれており、簡単にVPS接続できます。RDPファイルをクリックしてください。
手順3 「接続」をクリック
RDPファイルを開くと、「このリモート接続の発行元を識別できません。接続しますか?」というメッセージが表示されますので、「接続」をクリックします。
手順4 VPSログイン
Beeks社から受け取った「ユーザー名」「初期パスワード(Initial Password)」を入力してください。ログインができたら、パスワードの変更を求められます。
任意の「10桁以上で大文字、小文字、1つ以上の数字を含む」パスワードに変更しましょう。
手順5 MT4/MT5のダウンロード
VPSのデスクトップ画面にインストールされているMT4/MT5ですが、日本在住のトレーダーは使用できません。XMのグループ会社(XM global社)専用です。
まず、XMの公式サイトからMT4/MT5のインストーラーを自分のPCにダウンロードします。そして、自分のPCからインストーラーを切り取って、VPSのデスクトップ画面に貼り付けてください。
MT4/MT5のダウンロードリンク
https://www.xmtrading.com/jp/platforms
これでXMのVPS接続が完了しました!
他のVPS業者も調べてみた
かなめ
Beeksのプラン選択
日本語サポートも提供しているので、初心者でも、トラブルが起きても安心。
XMが無料提供しているのは、Beeks社のブロンズプランで必要最低限のスペックです。もちろん、お試しでVPSを使う分には申し分ないのですが、本格的に自動売買トレードをしようと思うと、もう少しスペックに余裕が欲しいところです。
Beeks社には3つのプランが用意されています。
Beeks VPSのプラン | |||
---|---|---|---|
プラン | ブロンズ | シルバー | ゴールド |
月額料金 | 4,750円 | 8,550円 | 15,200円 |
MT4同時稼働目安 | 最大3 | 最大6 | 最大9 |
チャート起動目安 | 最大9 | 最大18 | 最大27 |
本格的に自動売買トレードを運用するのであれば、Beeksのシルバープランがおすすめです。
シルバープランの選択の際には、「LD4」「WindowsOS」を選択してください。Windows2012かWindows2016かのどちらかを選ぶようになっていますが、お好きな方で構いません。
もしかすると、スペックに対して値段が割高に感じるかもしれません。ただ、XMと同じロンドンにVPSサーバーを設置している国内VPS業者はなく、VPSの魅力を最大限に発揮するためにも日本語サポートがあり、ロンドンにVPSサーバーがあるBeeksがおすすめです。
BeeksとVultrを比較してみた【中級編】
もう1つ有名な海外VPS業者がVultrです。
Vultrの最大の特長は、時間課金制の料金体系です。
料金はVultrの方がお得
Vultrの魅力は柔軟な料金体系です。時間課金制なので、VPSを利用した時間だけが課金される仕組みになっています。Beeksは月額固定制なので、Vultrの方がお得です。
日本語サポートがない
Vultrの最大の弱点は、日本語サポートがないことです。公式ホームページを含めすべて英語対応です。英語が十分に理解でき、VPSの仕組みが分かっている方であれば、問題ないと思います。
ただ、システムである以上、どんなトラブルが発生するか分かりませんので、Beeksの方が総合的にはいいのかなと思います。
Beeksと国内VPS業者を比較してみた
Beeks VS 国内VPS業者 | ||
---|---|---|
Beeks | 国内VPS業者 | |
料金 | 割高 | お得 |
VPSサーバー | ロンドンサーバーを提供 | ほとんどが国内サーバーのみ |
日本語サポート | 対応 | 24時間フルサポート |
海外VPS業者と国内VPS業者の違いは、VPSサーバーの拠点です。
お名前.com
- 24時間日本語サポートがある
- 豊富な料金体系でお得
- 海外サーバーがないので、約定力や通信速度の改善は期待できない
- 大規模な通信障害が多発した
お名前.comの特長は、非常に料金がお得なことです。初心者向けプランであれば、初回は1,230円~となっています。4つのプランを提供しており、自分の使用頻度にあったプラン選択が可能です。
ただ、海外サーバーを提供していないので、約定力の向上や通信速度の改善は期待できません。スキャルピングEAを運用する場合はBeeksの方がおすすめです。
使えるネットVPS
- 24時間日本語サポートがある
- ニューヨークサーバーを提供している(XMには不向き)
- 料金が割高
- ロンドンサーバーではない
国内VPS業者で唯一海外サーバーを提供しているのが「使えるネットVPS」です。ニューヨークサーバーを提供しています。残念ながら、XMの取引サーバーがあるロンドンには設置されていません。XMでトレードする場合、約定力や通信速度の向上は期待できません。
ただ、ニューヨークに取引サーバーがあるTitan FXなど複数の海外FX業者で自動売買トレードを検討しているなら、選択肢の1つになると思います。
XMの無料VPSサービスを活用しよう
ここまでXMの無料VPSについて解説してきました。
XMの条件を満たしていれば、Beeksのブロンズプラン(月額4,750円)が無料で利用できます。VPSの使い心地を試すのに、ちょうど良いと思います。簡単に申し込めるようになっていますので、ぜひ活用してみてください。
本格的に自動売買トレードを検討するようになったら、Beeksの上位プランがおすすめです。もちろん、VPSの維持費用(ランニングコスト)がどうしても発生してしまうのですが、自宅のPCよりもBeeksのVPSの方が安心・安全で自動売買トレードの力を存分に発揮できる取引環境です。
日本語サポートもあり、初心者の方でも安心できると思います。
現役トレーダー&FXライター&トレーダコーチ
高校生のころからFXトレードに興味をもち、ホテルマンとして働きながら資金を集める
20歳から国内FXを開始し、ほとんど全ての資金を失う。その後、独自のブレイクアウト手法と通貨強弱を使った手法を確立し、海外FX専業トレーダーに移行。各海外FXブローカーの特長を利用した取引により生計を立てる。現役トレーダー。FXplusでコラムを担当。
テクニカルアナリスト取得に向けて勉強中。
Twitterでは、私のエントリーしているポジション、チャートの見方、注目通貨をトレード日(平日)の午前・午後に発信してます。